物件選び
小田原市の持ち家比率について
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1.持ち家比率と家賃の相関性
2018年の調査(住宅・土地統計調査)によると、小田原市の持ち家比率は62.8%(持ち家 49,510戸÷住宅数 78,890戸)となっており、全国の持ち家比率 61.2%や神奈川県の持ち家比率 59.1%を上回る結果となりました。
また、都道府県ごとの「持ち家比率」と「1ヶ月あたりの家賃(借家)」について相関係数(関連性があるかどうかの指標)を見てみると-53%となっており「家賃が高い都道府県は持ち家比率が低い」傾向に「ややある」という結果となりました。

家賃が高いということは一戸建てにしろマンションにしろ、持ち家を取得する際の費用も高くなりやすいことから、なかなか購入に踏み切れないということかと思います。
全国の持ち家比率は61.2%で家賃(借家)が55,695円ですが、東京都は持ち家比率は45.0%で家賃が81,001円となっており、やはり家賃の高さから持ち家を諦めるケースも多くなっているかと思います。
2.小田原市の持ち家比率と家賃相場
小田原市の場合、持ち家比率は前出の62.9%で家賃は53,811円となっており、全国平均より家賃が少し安価なことから持ち家比率が高くなっている(持ち家を取得しやすい)と言えそうです。
そこで、不動産会社のサイトなどで小田原市の家賃相場(賃貸)を見ると下記のような感じです。
ワンルーム・1K・1DKの家賃相場 | 53,000円 |
2DK・3DKの家賃相場 | 59,000円 |
2LDK・3LDKの家賃相場 | 83,000円 |
ワンルーム系と2DK・3DKの家賃相場が近いですが、これは駅近などの立地条件が影響していると考えられます(ワンルーム系は駅近で、2DKや3DKは駅から10分ぐらいの距離というイメージです)。

小田原市の1人世帯は全世帯の32.0%を占めること、また賃貸(借家)の比率が37.2%(100%-62.8%)であることを考えると、賃貸住まいの方の多くは1人暮らしの可能性が高いと考えられるので、1ヶ月あたりの家賃がワンルーム・1K・1DKの家賃相場に近くなるのかと思います。
逆に言えば、ファミリー世帯など1人暮らしでない世帯については、持ち家の割合が多くなるのかと思います。
3.小田原市の持ち家件数と人口の変化
小田原市における持ち家件数と人口データの変化は下記のとおりです。
2003年 | 2008年 | 2013年 | 2018年 | |
持ち家比率 | 61.5% | 59.9% | 60.7% | 62.8% |
持ち家数/戸 | 42,340 | 44,360 | 47,200 | 4,9510 |
上記の表を見ると、小田原市における持ち家数(戸)は近年順調に増加し、それに比例するような感じで持ち家比率も高まっています。
2005年 | 2010年 | 2015年 | 2020年 | |
総人口/人 | 198,741 | 198,327 | 194,086 | 188,856 |
労働人口/人 | 105,024 | 102,145 | 91,626 | 91,420 |
労働人口率 | 52.8% | 51.5% | 47.2% | 48.4% |
就業者数/人 | 99,766 | 96,209 | 88,048 | 88,058 |
完全失業率 | 5.0% | 5.8% | 3.9% | 3.7% |
世帯数/戸 | 74,291 | 77,793 | 79,120 | 81,864 |
次に人口関係のデータを見ると、日本全体の傾向と同様に総人口は減少しており、また団塊世代の定年退職などから労働人口も減少傾向にあります。
但し、その労働者不足を解消するためか、積極的な雇用・人材確保から完全失業率はある程度抑えられている結果となりました。
総人口が減少しているにも関わらず、世帯数については増加傾向にあります。
これは日本全体でも言えることですが、子どもが独立することで世帯数が増え、また高齢者世帯では配偶者が亡くなるが(=人口が減るが)そのまま1人暮らしとなり、結果として世帯が減らないというのが原因です。
このことにより単身世帯(1人暮らし)が増加しています(家賃相場もよりワンルーム系に近づきます)。
4.ファミリー世帯の出費について
今度はファミリー世帯をイメージして家賃を見ていきましょう。
例えば、世帯主が会社員で手取りが300,000円、主婦(主夫)の手取りが100,000円で計400,000円の世帯収入とし、子どもが2人と仮定します。
下記の出費は「家計調査報告(家計収支編)2020年」のデータをもとに少しアレンジを加えたものです。
食費 | 85,000円 |
家賃 | 110,000円 |
水道光熱費 | 30,000円 |
生活用品 | 15,000円 |
被服 | 15,000円 |
保健医療 | 15,000円 |
交通・通信 | 40,000円 |
教育費 | 25,000円 |
娯楽 | 25,000円 |
その他 | 45,000円 |
合計 | 400,000円 |
一般に家賃の目安は収入の2~3割程度と言われますので、ここでは仮として手取り400,000円に対して27.5%の110,000円としています。
先ほどの家賃相場でも2LDK・3LDKは83,000円でしたので、110,000円あれば十分希望に近い賃貸物件を探せそうですね。
一方、この110,000円を住宅ローンに充てたとすると、利息などの細かな計算を抜きにして35年ローンを組んだとすると、110,000円×12ヶ月×35年=46,200,000円の予算となります。
この予算であれば小田原駅から徒歩10分圏内の新築マンション、また小田原駅以外の駅から徒歩5分圏内の戸建ての取得も可能です(小田原駅周辺は土地が少ないため近距離なら小田原駅以外の物件が多くなります)。
また、立地条件によっては中古の戸建てをリフォームして暮らしやすくするのもお薦めです。

5.賃貸のメリットと持ち家のメリット
賃貸のメリットとして「気軽に住み替えられる」「固定資産税などが不要」「住宅ローンを組みたくない」などがあり、持ち家のメリットしては「無駄な家賃を払い続けなくてよい」「持ち家は資産になる」「老後の安心」などがあり、双方にメリット・デメリットがあります。
ただ、小田原に長く住む予定であれば、家賃も住宅ローンも毎月「住居費」として必要になることには変わりありませんので、老後の安心や持ち家は資産になることを考えると持ち家は長期計画の1つの選択肢になるかと思います。
小田原市の持ち家比率が全国平均や神奈川県平均より高いのは、このような小田原で長く暮らすという方が多く、その長期計画の1つとして持ち家を選択しているかもしれませんね。

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神奈川県小田原市国府津2773-8